えん麦（オーツ麦）は、健康志向の高まりとともに人気が高まっている穀物です。
このウェブページでは、えん麦の基本情報、その栄養価と健康効果、特に悪玉コレステロール低下作用に焦点を当てて解説します。
えん麦がどのような穀物であるか、どのような栄養成分を含み、私たちの健康にどのように寄与するのかを詳しく見ていきましょう。
えん麦（オーツ麦）とは何か？
えん麦（オーツ麦）は、ロシア、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国などで栽培されている穀物です。学名はAvena sativaで、主に動物の飼料として利用されてきましたが、19世紀以降、人間の食用としても広く食されるようになりました。
近年、健康志向の高まりを背景に、食用としての消費がさらに広がっています。
えん麦は小麦とは異なり、グルテンを含まないため、セリアック病の患者にとって安全な穀物とされています。
しかし、製造過程で小麦が混入することがあるため、グルテンフリー製品を選ぶ際は注意が必要です。
食べ方としては、熱処理してフレーク状に加工したオートミールが最も一般的で、朝食としてグラノーラやポリッジの形で楽しまれています。
えん麦の栄養価と健康効果
えん麦（オーツ麦）は、その栄養価の高さと健康効果から注目されています。特に、えん麦は食物繊維が豊富で、中でも水溶性食物繊維であるβ-グルカンの含有量が特筆されます。
β-グルカンは腸内の消化物の粘度を高めることで糖質や脂質の吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑える効果があるとされています。
また、β-グルカンは悪玉コレステロール（LDLコレステロール）を低下させる作用があるとも報告されており、心血管疾患の予防に役立つと考えられています。
えん麦には、ビタミンB群やミネラル（鉄、マグネシウム、亜鉛など）、ポリフェノール類も含まれており、抗酸化作用や免疫力の向上、疲労回復などの効果が期待されます。
また、オーツ麦特有のポリフェノールであるアベナンスラミドは、抗炎症作用や肌の健康に良い影響を与えることが研究で示されています。
これらの栄養成分と健康効果により、えん麦はバランスの取れた食生活に貢献する穀物として、多くの人に愛されています。
えん麦の悪玉コレステロール低下作用
えん麦（オーツ麦）は、血液中のLDL（悪玉）コレステロールを低下させる作用があることで知られています。
この効果は、えん麦に含まれる水溶性食物繊維であるβ-グルカンによるものです。β-グルカンは腸内で粘性の高いゲルを形成し、その結果、コレステロールの吸収が抑制されます。
さらに、β-グルカンは胆汁酸の排出を促進し、体内のコレステロールが胆汁酸の合成に利用されるため、血中のコレステロール濃度が低下すると考えられています。
アメリカ食品医薬品局（FDA）や欧州食品安全機関（EFSA）は、えん麦のβ-グルカンによる悪玉コレステロール低下作用を認めており、1日当たり少なくとも3gのβ-グルカンを摂取することで、心血管疾患のリスク低減に寄与するとしています。
コレステロールが高めの人や、心血管疾患の予防を目指す人にとって、えん麦は効果的な食品選択と言えるでしょう。
